Aさん


過去世調査

 過去世は何回かあるが、今回はその中でも今生に最も強い影響を持っている過去を調査する。

 日本に仏教が入って、政治家たちがさかんに仏教問題を論じていたころに生まれたらしい。
 北九州のあたりに生まれたらしく、父が仏教を信じていたために、小さい時から、仏の話ばかり教えられ、少年のころには、仏で頭がいっぱいになっているような子供だったという。

 やがて、青春時代を向かえた時、恋をしたらしいが、相手が神道家の娘であったために気が合わず、結局は失恋に終わったらしい。
 どうやらその女性は、異国の宗教である仏教がいやでたまらなかった様子である。
 その後、彼は、当時ではかなり遅くまで独身でいたらしく、ようやく、ある仏教徒の女性と結婚したとのことである。

 職業は当時の官職のうちで経理の方面を担当していたとのことであり、生活は安定していたらしく、職場の仲間からも、仏教徒の理論家と呼ばれていたそうである。
 しかし、当時は、仏教者と神道者の間に強い対立があったらしく、神道家からはかなり恨まれたらしい。
 やがて中年を過ぎるころには、仏教は公に認められるようになったらしく、彼は得意になっていた様子である。

 しかし、理論家であったことが災いして、一部の神道家から恨まれて、呪いをかけられたらしい。
 したがって、老年になるころには、身体はかなり弱り、病気がたえず、幽的身体は大きく傷ついた様子である。
 彼は呪いの相手に気づいたらしく、復讐の意味で、「仏敵は仏罰を受ける」と叫んでいたらしい。
 いつしか他界してしまい、その後は幽界の人となった。
 しかし、彼の幽体は大きく傷ついており、又、自分からも強い恨みの念を出していたので、上層幽界へ登るために、相当苦労したということである。

 死後も、始めのうちは、仏者を集めて、論じていたらしいが、上層幽界へ入ってからは、それが特に意味を持たないと感じ、ひどく失望したとのことである。


霊的アドバイス

 過去世は仏者として神道家と論戦し、ほとんど勝利していたようである。それが災いして呪いを受けたといってもよい。
 この世では、どちらが正しいかで善悪を決めるが、霊的には地上の善悪は無関係であり、単に霊的法則が働くのみであるから、呪われれば自分が正しくても相手が正しくても、無関係に幽体は傷ついてしまう。
 それは戦争でどちらが正しくても切られれば肉体が傷つくのと同じである。

 よって、今生の潜在心には、呪ってやりたいという強い心情が、今だに残っているとのことである。
 したがって、将来何らかの形で、この時の潜在心が表面の心に強く浮きあがると、強い対立の思いを誰かに対して起こす可能性がある。
 それが正義であれば、必ずしも悪いとはいえないかもしれないが、人間というものはほとんどの場合、自分にとって正しいにすぎないということが多いのであるから、なるべく早期にこうした心情は解消してしまいたいものである。
 また、仏教者であったのに、死後、それに対して失望しており、この時の失望は相当に大きなものだったらしい。
 よって、長い間に表面的には忘れていったようであるが、心の奥に潜んだ部分もある様子である。
 結局、この時の心情としての失望が、将来、大きな苦難に合った時、蘇ってしまい、絶望的な心情になることも考えられる。
 このカルマは、人に論戦ばかりをいどみ、相手の宗教的心情を切りくずしたことにある。

 やはり、自分がいかに正しく思っても、相手の心情に対する思いやりをもったうえで、論戦を主張すればよかったと思える。
 そうすれば、自分の主張に同意する人も増えたのであり、対立する人ばかりにはならなかったかもしれない。
 今生においても、自分の主張は、相手の心情を考えて主張することが大切である。