Gさん


過去世調査

 今の和歌山県に農民の長男として生まれたようである。時代は武田信玄が徳川を破った頃に青年だったという。
 当時は武田の評判は大変高く、和歌山では武田が京都まで上ってくるという噂が立っていたらしい。そのため、新しい時代になったら、京都に出て一旗揚げたいとか、山梨へ行ったら出世できるとか、貧乏な人達ほど期待していたらしい。
 そのため、農民をやめた者も多く、この人は何名かの若者と一緒に今の岐阜、愛知県の方面に武田の軍団を見に行ったらしい。
 ところが、肝心の武田軍はなぜか途中で引き返してしまった。
 どうやら、武田が天下を取るとは限らないということになり、この若者達の何人かは和歌山に帰ったが、この人は帰る気がなかったようで、結局、愛知県に住みついたそうである。

 その後、愛知県の女性と結婚し、子供もできて喜んでいたが、ある時、織田信長の軍隊にかり出されることになってしまい、どこかの戦争に出て大けがをしてしまったらしい。

 それからというもの、暮らしは悪くなり、妻は過労で倒れ、若くして他界してしまった。
 子供達はまだ小さく貧乏な日々が続き、とうとう寺の床下で泊まるような日々になってしまった。
 ところが、それを知った僧が、今で言う霊能力者を紹介してくれ、その助手をするようになった。
 それから、ようやく、人並みの暮らしができるようになり、子供達が成長して収入を得る頃になると、生活の心配はなくなり、再婚の話が来るようにもなった。

 ちょうど、再婚を決定しようとしていた頃、師匠の霊能力者が、重大な決定をするには仏にお伺いを立てねばならないと言い、結論として再婚を反対された。
 しかし、本人は助手をしていて、師匠の霊能力はそれほどよく当たる訳でもない、と考えていたため、結局、再婚して助手を辞めることになってしまった。

 それからは、いろいろな仕事をこなしながらも老いて他界するまで無事に暮らせたらしい。
 この人生は苦難の連続であった。特に自分が働けなくて妻を過労死させてしまったことは、心に大きな負担となったらしい。妻に申し訳ないという思いもさることながら、子供達に貧乏な思いをさせたことへの懺悔も強く心に残った。これらの思いは消えるものではなく、今回の意識の奥に残っているそうである。

 また、霊能力者の助手を辞めたことは、やっと安定した仕事を失ったことでもあり、再婚の件とあいまってぎりぎりの選択であった。しかし、自分で決定して良かったとは思う反面、仏を裏切ったのではないか、という恐怖心もあったようで、今生の意識の奥にも残ったようである。

 これらの過去世の意識は今回の人生においても影響力を持っている。
 たとえば、何か大事な決定しようとする時には、その決定を必要以上に迷わせたり、自分のせいで誰かに迷惑をかけると、過剰に申し訳なく感じて、かえって人間関係を難しくしたり、といったような、さまざまな影響が出てくる可能性がある。